イリアム[小説・SF]

画像やっとこさ図書館で借りてきました。ダン・シモンズの新作「イリアム」です。
感想はまず、重い!
って本当に重いんだよ~。計ったら748gもあった。うーむ、立ち読みしてたら二の腕が引き締まりそうだ。厚さは4.7cm! 脇にはさんでたら脇の肉が引き締まるかもしれない。枕にするにはちょっと固すぎるかな<こらこら。
文庫本はもちろん出てませんから仕方ないです。

ハイペリオン~ハイペリオアンの没落~エンディミオン~エンディミオンの覚醒と読んできたので、ダン・シモンズの読み方は心得てきたつもりです。
今回はギリシャ神話がモチーフで、ホメロスの引用の他、シェイクスピア、プルースト、ナボコフ、ウエルズなどが出てきますが、そういうとこにいちいち引っかからないことですね。私は学生時代に英文学専攻だったので、なんだか宿題を出されているような気分になってしまいます。おぼろげに原文も覚えているのでさらにうんざりさせられます。ですから、今回はとにかく読み進めていくことに終始しました。ギリシャ神話がモチーフだと比較的読みやすい気がします。授業でやった作家の話ってそれだけでつまらないような気がしてしまうのは何故でしょう。ハイペリオンを読み始めたときにはキーツやイェイツが出てくるだけでため息が出たものです。

ダン・シモンズは相変わらず希有壮大で面白いです。んが、例によってこの長編が前編で、解決編は「オリュンポス」に譲ることになります。オリュンポスは去年出版されたばかりなので、計算でゆくとあと2年待たないと訳が出ないことになります。幸いにも訳者の酒井昭伸さんは大急ぎで訳すとおっしゃってますので、もう少し早くなるかもしれません。

それまで細かいところを覚えていられるかが心配です。オリュンポスが訳されたときにもう一度読み返す羽目になりそうです。英文科なら原文で読めば? とおっしゃるかもしれませんが、卒業してX年も経つ身では、訳者の人が手こずるようなややこしい本を原文で読めやしません。

ストーリーは3つの話が並行して語られていきます。
「火星のオリュンポス山の麓、イリアムの平原でトロイア戦争を復活させている神々」
「地球でわずかに生き残って何者かに完全に管理されて生活している人類」
「地球化された火星で起きている量子撹乱の原因を調査しに向かう半生物機械の探検隊」
これらがいつひとつに交わるのか…そしてそのときこそ謎が融解するのか。と思いつつも、とりあえずひとつひとつの話を読むだけでも、かなりの質量があります。

今回は美形はたくさん出てきますが、ギリシャ神話の神々とかではさすがに感情移入しかねます。アキレウスが「ものすごくハンサムにしたシュワルツネガー」みたいに形容されてましたが、これは映画「トロイ」の前に書かれたので「筋肉ムキムキのブラピ」にはならなかったのでしょうか。もっともブラピがアキレウスってやっぱり「えーーーっ?」ですよねぇ。

さて、私には本を買うときに変なクセがあります。それは最後の数行を読んで決めるということです。最初の数ページをパラパラ読んで…という人は多いと思うのですけど何故か私は結句というヤツが気になってしまうのです。ただしミステリーではやりませんが。最後のページにオチが書いてあったら大変ですからね。
このやり方は案外当たるんですよ。結句がいい小説はやっぱりいいんです。

イリアムは続編が出るわけですから最後のページを読んでも仕方ないのですが、最後の台詞はこんなです。
「それだけに、つぎになにが起こるのか、楽しみでしかたがないよ」
一瞬グーで殴りたくなりました(笑)。

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