鬼平犯科帳~乳房~[小説]

画像最近の半身浴のお伴「鬼平犯科帳」です。ほとんどが短編でキリのいいところで止められるのでお風呂で読むのにちょうどいいのです。言わずと知れた池波正太郎さんの代表作、昔から何度もテレビ化、映画化されていますので、読んでいるだけで絵が浮かぶのも頭がぼーっとしてる半身浴のときにぴったりです。

もちろん知っているのはフジテレビでやってた中村吉右衛門さんの「平蔵」です。お父さんの8代目松本幸四郎がテレビでは初代の鬼平で、これは原作者の池波さんが鬼平を書くときにその風貌をモデルにしたんだから、イメージ通りで間違いなし。息子の(後の)吉右衛門さんはこのとき息子の辰蔵役をやってたんじゃなかったかな?
その後、池波さんは吉右衛門さんが平蔵の歳になったらまた演じて欲しいとまで言ってたのだから、時代小説とはいえ、はっきりした現代の役者でのビジュアルイメージがあったのがわかります。

脇役のうさ忠こと木村忠吾が尾美としのり(本当にうさぎまんじゅうみたい♪)、相模の彦十が江戸家猫八、おまさが梶梶芽衣子、粂八が蟹江敬三、伊左次が三浦浩一とオールドファンにも文句が出ないような見事な配役です。唯一、妻の久栄が多岐川裕美…実際には夫婦でもおかしくない年頃なんですが、若く見えちゃうので奥方には見えないかも。
フジテレビの時代劇って他局と違ってなんかオシャレな感じがして、鬼平以外もけっこう見てました。ほとんど時代劇なんて見ない私ですら見ていたのですから、エンターテイメントとして時代劇を普及させた功績は本当に大きいですね。

テレビシリーズは大変な人気でしたが(理想の上司とかで鬼平=吉右衛門がランキングされてたり)、原作がなくなったところで打ち切りと決まっていたので、勝手にオリジナルストーリーを作るわけにはいかなかったそうです(映画版ではいくつかの話をつなげて作ったような話もありましたが)。
文庫で出ているのは全24卷ですが、なんと未完で終わっています。気になるよな~~~。続きを想像するくらいしかファンには楽しみがないわけで。

鬼平と言えば江戸情緒、作者の池上さんは食通でも有名です。鬼平に出てきた江戸グルメを散策するのもファンの間では定番の楽しみです。とくに平蔵の密偵が集まるシャモ鍋屋「五鉄」のモデルとされるお店。墨田区の「かど家」らしいのですが、おかみさんは控えめに「そういうこともあったかも」とコメントされていました。池波正太郎グルメ本なんかもいろいろ出てるくらい池波さんと食べ物は切っても切れない縁ってぇやつのようです。テレビ版では火付盗賊改方に「猫どの」という捕り物には行かない料理ばかり作っている同心が出てきて、美味しい物を作って鬼平さんを楽しませています。そのレシピが細かいのも池波さんならではのことで。

ほとんど江戸を出ることのない鬼平ですが、たまーに出張します。
じつはうちのご近所も小説の中に出てきます。多摩川の渡しの宿屋やお寺など「ああ、あの辺だ」ってわかると一気に親近感がわきました。その辺りは昔の面影をとどめるよう保護されているらしく、ピンポイントでは江戸時代の建物やお寺などが残っています。ただ通り過ぎるとどうってことない、むしろ江戸情緒とはかけ離れた町なんですけどね。

鬼平本編は未完のままだし、これ以上どうしようもないのですが、サイドストーリーとしての作品があります。それが「乳房」ですが、最初は鬼平さんは出てきません。そこへ、いきなりひょいっと長谷川平蔵の名前が出てきて「あっ」と虚をつかれるのです。しかも、まだ火付盗賊改方ではない頃の平蔵さんです。なんだかね、こういうところが池波さんのお茶目なところだったりするわけで。ああ、粋だねぇ、と思わず江戸弁になってしまうのでした。

ネタばれになれない程度に言うと「乳房」というタイトルは物語の最後に鬼平さんが言う言葉にあります。
「それにしても、女は強い。女は男にないものを持っているゆえな」
こんなことを言って奥さんに叱られちゃう、やっぱりお茶目な鬼平さんなのでした。

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