ポインター号の秘密

画像ポインター号といえばウルトラセブン。
「セブン、セブン、セブン~」とつい歌が出るあのウルトラセブンに使用された特撮用車輌。
歴代ウルトラマンシリーズの中でもセブンのメカは群を抜いて人気があります。とくにポインター号は元がなんだかわからないほど徹底的に改造されている近未来的デザインゆえに、特撮好きのお子様たちの心を鷲掴みにしたのです。

ウルトラセブンはウルトラシリーズの最高傑作と言い切る人がいるほど愛された作品です。当時のお子様、後にオタクと呼ばれる人たちにとってはそのディテールすべてを知りたいと思うのが当然。それも身近なクルマともなれば、元の車種が何かを知りたくなるのが人情というもの。

ウルトラシリーズの他のクルマたちはわりとベースカーがハッキリしています。
ウルトラマン科学特捜隊科学特捜隊専用車シボレー・コルベアステッカーを貼っただけ写真
帰ってきたウルトラマンTACマットビハイクルマツダ・コスモクーペ通称、円盤コスモ写真
ウルトラマンATACタックパンサートヨタ・コロナマークⅡクーペ改造は少ないけど新車です写真
ウルトラマンタロウZATウルフ777トヨタ・クラウン目がクラウン写真
ウルトラマンレオMACマックロディー三菱ジープ原子力エンジン搭載!写真

MATビハイクルのコスモスポーツはもともと個性的なデザインのクルマだったので、まんま使っていますからこれはすぐわかります。
ウルトラマンAのTACパンサーも(新車だったから?)いじってません。だんだん身近なクルマになってきますね。
ウルトラマンタロウではデコトラみたいに派手な飾りのウルフ777が登場。そのフロントグリルからのぞくお目々(ライト)はどう見てもクラウンです。「いつかはクラウン」がかなったのですね。
レオのマックロディーは写真がモノクロしか手元にないので、プラモの箱ですみません。

このようにクルマ好きの人ならば、ほぼひと目で看破できる程度の改造しかしていない特撮用車輌の中で、ひときわ異彩を放つポインター号。
駆け出しのフリーライターだった私が、その謎に迫るべく円谷プロを訪れたことがあります。奇しくも昨日はウルトラマンの誕生日。ウルトラマン生誕40周年を記念して(?)、当時の記憶を掘り起こしつつ、ポインター号の製作秘話を思い出してみましょう。

私が円谷プロを訪れたときすでにセブンの放映から20年は軽く経過していました。ウルトラマンの新シリーズは始まっておらず、そのときの円谷プロは過去の遺産で運営されている状態で、新シリーズに向けての充電期間でした。
広報担当は故・円谷英二氏のお孫さん! その名刺だけでちょっと興奮しましたが、優しげなメガネのおニイさんで英二氏には似てませんでした…。たぶん、現在の社長さん、ですよね(いまの写真を見たらあのころの面影はあったものの、お祖父様に似てきたような気がします)。
そしてポインター号の製作に関わったというオジサマ。「当時の資料はあまり残っていないんですよね」という前置きがあり、いちおう取材意図を伝えてあったため、それに沿ったお話をいただきました。

まず肝心のポインター号の車種についてですが。
ポインター号が履いているタイヤはホワイトリボンですね。国産車ではほとんど見ない、当時では高級外車しか履かないタイヤです。ウルトラマンのシボレーとそしてポインター号だけが履いています。つまり外車だということくらいは私にだってわかります。

しかし、その答えは…「中古屋で見つけたクルマでクライスラー系のアメ車」というくらいしか覚えてないというのです。当時で10年は経っていたそうですが、改造しちゃうのでデザイン画に近いフォルムがあればよいということで決めたらしいです。ちなみに「ロクに走らなかった」そうです。そうでしょうとも。10年落ちのアメ車の中古ではたぶん10分走るとバッテリーが上がったことでしょう。どうせナンバー取れないし、そんなことは問題ではない、完全にビジュアル先行だったわけです。

ご存じのとおり、円谷プロは撮影のクオリティを追求しすぎで予算オーバー、会計は火の車状態でした。そのために本当に走る高級外車を買うことは難しく、いっそどこにもないクルマを作ってしまえ、となったのではと推測はされますが。さすがに私もそこまで失礼なことは聞けないですから確かめませんでした(笑)。

後の考察により、担当者すら忘れていたポインター号の正体がわかりました。
クライスラー・インペリアルクラウン1957年式というのが正解です(1958年式という説もありますが実車を復元した方によると1957年式だそうです)。ちゃんと走るものは400万円からするという話もありますが、円谷プロの方は「いやー、はっきりとは覚えてない」ということでした。ただ、かなりお安く手に入れたはずだと担当の方のお話でした。

成田了氏のデザインによるポインター号はいま見ても、純粋にカッコいいと思える特撮車輌の傑作です。しかし、作成時は低予算のため手作り度満点でした。担当の方がソフトボール大の玉を見せてくれて
「これ、最初はアンテナに付けてたんだけど撮影の時にすぐ取れちゃうんでやめちゃったんだ」
と言っておられました。
ああ、こんなに時間が経っているのに、そんなボツになった小道具まで大事にとっていたんだなぁ、と思ったときポインター号がどれほど愛されて作られたかがわかりました。感動はお金で作るんじゃない。そんな職人魂のようなものを感じました。
(上の写真はプラモですが、撮影時の写真にはフロントグリルに立ってるアンテナはありません。デザイン時にはあったのかもしれませんが、いくらなんでもあれは邪魔だよねー)

最後に怪獣倉庫を見せてくれました。怪獣の取材に行ったわけではないのですが、どうやらそれはお決まりのコースのようです。
とくにウルトラマンシリーズが好きでなくても心躍る場所でした。私なぞは怪獣の名前は20ほどしか言えず、ウルトラマン~レオまでのメドレーを歌う程度のたしなみしかないのですが、さながら「怪獣墓場」のようなそこでは童心にかえってはしゃげるのでした。

いま砧の円谷プロはさぞや立派になっていることでしょう(一夫社長の手腕のタマモノでしょうか)。
できればウルトラマンを見て育ついまの子供たちが大人になったとき、「あれってなんだったんだろう?」と思えるような小さな謎を仕掛けておいていただけたらと願います。

※写真、その他資料を参考にさせていただいたサイトの方にお礼を申し上げます。
■TDF特殊車両管理課
■I LOVE LEGACY
■HONKY TONK JUNK
■livedoor Wiki

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この記事へのコメント

2007年11月19日 16:06
マツダの情報!。!☆☆!♪

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